ピンクとキイロ | 00:06 |
河津桜はすでに葉桜。
こんな日は畑。
たっぷりもらった馬の糞は、臭う。そりゃあ、そうだ。
中からは、これでもかと言わんばかりに肥えたミミズが這い回る。
それでも、こんな日には全部が鼻歌に変わる。
畑のシンガーソングライターは、ごきげんで畑を耕し芋を植える。
土もミミズもジャガイモも、きっとそう、人間にだって新しい物語が始まる。
水仙が小さな太陽。
こんな日は公園。
まだまだ風は冷たいというのに、こちらは上着にすっぽり包まれているというのに
植物には遅れることなく春が来る。
寒がりの散歩者はいつでも自然の背中を追いかける。
離れないように、置いてきぼりになりませんように。
夏みかんにお砂糖の雪つもる。
こんな日はお勝手。
昼間から暖房をつければなんだか申し訳ない彼岸過ぎも
マーマレード作りを口実に灯すガスなら許される。
言い訳がましい女将さんはのんびりのんびり時間を受け入れる。
美味しいジャムのために、美味しい明日のために。
ずっとずっと耐え忍んできたものが、この時ぞばかりに弾け出す。
にもかかわらず、そこには偉そうな気持ちなんて微塵もなく自負もなく。
ただただ輝かしく。
自分に正しく生きたい。自分にとって正しいことを貫きたい。
だけど、時に、そこを主張するばかりではいけない。
一時はそこに蓋をする、保留にすることも必要だと学んだ冬。
それが、人と共に生きること。
私の春はまだ花開きそうもないけれど、
そう、自然の姿を追いかけて
いつか辿り着ければ、いいな。
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