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一生思春期。

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ピンクとキイロ 00:06

 

河津桜はすでに葉桜。

こんな日は畑。

たっぷりもらった馬の糞は、臭う。そりゃあ、そうだ。

中からは、これでもかと言わんばかりに肥えたミミズが這い回る。

それでも、こんな日には全部が鼻歌に変わる。

畑のシンガーソングライターは、ごきげんで畑を耕し芋を植える。

土もミミズもジャガイモも、きっとそう、人間にだって新しい物語が始まる。

 

 

水仙が小さな太陽。

こんな日は公園。

まだまだ風は冷たいというのに、こちらは上着にすっぽり包まれているというのに

植物には遅れることなく春が来る。

寒がりの散歩者はいつでも自然の背中を追いかける。

離れないように、置いてきぼりになりませんように。

 

 

夏みかんにお砂糖の雪つもる。

こんな日はお勝手。

昼間から暖房をつければなんだか申し訳ない彼岸過ぎも

マーマレード作りを口実に灯すガスなら許される。

言い訳がましい女将さんはのんびりのんびり時間を受け入れる。

美味しいジャムのために、美味しい明日のために。

 

 

ずっとずっと耐え忍んできたものが、この時ぞばかりに弾け出す。

にもかかわらず、そこには偉そうな気持ちなんて微塵もなく自負もなく。

ただただ輝かしく。

 

 

自分に正しく生きたい。自分にとって正しいことを貫きたい。

だけど、時に、そこを主張するばかりではいけない。

一時はそこに蓋をする、保留にすることも必要だと学んだ冬。

それが、人と共に生きること。

 

私の春はまだ花開きそうもないけれど、

そう、自然の姿を追いかけて

いつか辿り着ければ、いいな。

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恐れ入ります。 16:28

 

その前の晩

テレビでは、ジビエ料理をやってて。

料理方なんかより、目を見開いて耳穴かっぽじって知ったのは

イノシシの怒り狂った呻き声とシカの恐怖に耐ええぬ叫び声。

そして、真向からそれらを認め、矛盾を肯定し、互いの命を尊ぶ、ハンターの姿。

 

画面を前に止まらない涙は、優しくなんてない強くなんてない

ただただ弱っちい自分の証。

 

 

だから、翌日

台所いっぱいの鹿肉に胸がつまったのは尚更のこと。

 

「肉」を食べるということがどんなことなのか。

他の者を殺して食べるということが、どれほどの重みあることなのか。

フィリピンの小さな島で、向き合った自信は所詮は「ただ、逃げずに見つめた」程度で、

そんなことでわかった気になっていたのが恥ずかしい。

 

今、目の前に広がる鹿は、もう死んでいるんだ。

これは単なる肉の塊なんだ。

 

言い聞かせる自分とは裏腹に、昨夜のシカの目が声が強く蘇る。

だけども同時に、あのハンターの深くて強い言葉が背中をさする、押す。

 

決して無駄にはしてはいけない。

泣きながらでもいい。

それでも、切るんだ。作るんだ。食べるんだ。

自分は弱いだとかなんだとか、立ち止まってる場合じゃない、ここまできたら

目の前の肉となった命には、食べることしかできないんだ。

 

あの日から約二週間。

 

昭和30年代中頃の高級志向の雰囲気と

やけに綺麗な日本語になかなか感じるものがあって、貰ってきた料理本。

面白おかしく眺めていれば

魚のおろし方と同じく鶏のしめ方が載っていた。

「野兎やすずめでも、美味しく召し上がれます。」なんて文章もあって

正直、ギョッとする。

でも、これがきっと本当の料理ってことなんだろう。

昔はみんな、当たり前に今の魚と同じように肉にも手と目をかけていたんだろう。

 

やっぱり。

弱くなったもんだ。

 

食べて、生きる。はシンプルでも

他の命を、自分の命の犠牲にする。は決して簡単なことじゃない。

考えるほどに矛盾はいくらでも湧いてくる。

だけど、その矛盾を堂々と胸張って見せられるだけでも

強い人間なのだと思う。

 

 

大根だったら、ただただ「ありがとう。」だけで食べられるのに。

とも思うけど‥

そういう気持ちこそ何かから逃げている気がする。

 

 

 

 

 

 

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春は、今日に。 19:18

 

窓を開けた途端に、ぬるい風。

「まだ、一月なのに気持ち悪ーい。」なんて。

思ってもない言葉をにやにやしながら、空に叫んで。

 

みかんを二つ、飲み込むように食べたなら、さぁ!

いざ、春を迎えに行こうじゃないか。

 

 

今日は貯金日和。

日光と、カルシウムと、陽気な私の貯金日和。

 

早く、早く。

日が暮れない内に、出来るだけ沢山の春を吸い込め。

 

 

生まれたて

小春日和の満月

青空は思っていたより近いみたい。

 

 

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今年もよろしくお願いいたします。 17:52

 

あけましておめでとうございます。

 

なんて挨拶も、飽きるほど聞かず。かと言って大した新鮮味もなくなった

何十何年目かの新年9日目。

「初ナントカ」とか「ナントカ初め」とか、言葉ほど背筋が伸びる気はしないけど

それでもなんとなく、ほんわかした緊張感が吹いてくる。

どうせあっという間とわかっていても、

わかっていても気付かぬふりをしてみるのも良いものだから。

 

 

 

今年もまたやってきましたよ。

 

お天道さまが。

新たな幸せと新たな修行を運んでくる。

 

今年もまたやってきましたよ。

 

この私が。

新たな幸せを受け取りに

さらなる成長を叶えに。

 

お天道さまも、私も。

頑張っぺな!

 

 

 

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今年と来年、去年と今年のあいだ。 17:45

 

なんんだかんだいっても忙しない年末。

見知らぬお宅の門前

見つけたのは千両の束、四つ五つ。

きれいに輪ゴムで結わえて、きれいに包装紙でくるんで。

「ご自由にどうぞ。」の張り紙に、なんだかとても感動。

いいなぁ、いいなぁ。こういう人になりたいなぁ。

目に見えない人を、想うことが出来る。

どんなに忙しくとも、どんなに淋しくとも。

そういう人は逢わずとも、こんな風になんだか光を与えてくれる。

「ご自由にどうぞ。」の言葉に頂いたのは

千両よりももっと大きな余裕。

 

 

師走突入。

 

口を開けば、「早過ぎる」とか「信じられない」とか

はたまた「また、歳をとる。」だとか。

溜息まじり、呆れまじり。

それでも、そうやって話せることが幸せだということも

みんな知ってる。

 

暦と向き合えば、「あれをしなきゃ」とか「これをしなきゃ」とか

はたまた「もう、来年でいいや。」だとか。

焦りまくり、諦めまくり。

それでも、そうやってやるべきことが、やりたいことがあるということが幸せだということも

みんな知っている。

 

溜息と呆れと焦りと諦め。

文字にすれば決して明るい気持ちはしないのに

なぜか、そこに「ふふふ。」が広がる。

それが、師走の魅力なのかもしれない。

 

「ふふふ。」をね、もっと大きなものに、もっと頑丈なものに

出来たなら、つまずく石もエイッと蹴ってやれるのかもしれない。

なんて、気合が入る大晦日。

 

誰もに

光満ちる一年が訪れますように。

悲しみや怒りが、苦しみや恐怖が

どうか、一日も早く光に変わりますように。

 

2016年にさようなら。

 

 

 

 

 

 

 

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おんぶにだっこ。 23:13

 

 

んぐっ。

と、歯を食いしばって過ごした昨日。

 

耐えたことが本当に自分にとって良いことなのか、

今耐えたことが、いずれ自分を余計に苦しめることにはならないか。

耐えないほうが事実自分にとっての素直ではあるまいか、

今耐えない、それこそがいずれ自分の生き方を肯定することになるのではないか。

 

わからないまま。

決めかねないまま。

 

んぐっ。

と、耐えた昨日。

 

わかっていることは

この先何度も、この、同じ、んぐっ。をやっていかねばならない。

わかっていることは、だからこそ

昨日のことは忘れた方がいい。

自分のために。

 

わからなくて構わない。

いや、わかる前に忘れろ。忘れるんだ。忘れるんだ。

こんなことで、つまづいてどうする。

忘れろ。忘れろ。

 

ただ一言だけをつぶやいて

ただ一言だけを言い聞かせて

歩き回った昼間。

 

住宅地の中、意味のない信号。

でも、こんな日には意味のある信号。

 

立ち止まった先には、会いたい人が立っていた。

 

入退院を繰り返していたあの頃とは、まるで別人。

だけどオシャレなおじいちゃんは、あの頃のまま。

買い物袋を沢山さげて、自分のものなんてきっと一つもないんだから。

 

思わずね。泣いてしまったよ。

磯吉さん。

会いたかった。会いたかった。

わか菜さん。

会いたかった。会いたかった。

 

きっとまた、逢えるよね。

逢えますよ。私の願いは叶うんだから。

 

見えなくなるまで、

私は手を振りながら去り

見えなくなるまで、

磯吉さんは一歩も動かなかった。

 

 

また、ひとりで歩く道。

見上げた空に、ありがとう。しか出ない自分がおかしかった。

 

数分前までつぶやいていた言葉は何処にいったのか。

思い出したところで、もはや、本当に意味など必要ない。

偶然の、念願の、再会にただただ嬉しくて

感謝できるのはお天道さましかいなかった。

 

そうしてまた、やらしく問いていたんだ。

これは、昨日の「んぐっ」の、ご褒美ではないかって。

いや、ご褒美でなくてもね、正解だって。

 

「んぐっ」を、して正解だって。

こんなことにつまずくなって。

こんなことに自分の真意をかけるなって。

 

アイアイサー。

 

お天道さま。

磯吉さん。

私は私のために。

こんなことで立ち止まってらんない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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吹き割り。 13:20

 

どんなに正しいことでも、通らないことがある。

 

どんなに多くの人が頷いてくれても

たった一人が頷かない。

そのたった一人の為に、前に進めない。

進みたい方向は見えているというのに。

私は前を向いている。

それなのに。

 

どんなに多くの人が無関心でも

たった一人が耳を傾ける。

そのたった一人の為に、踏み出せる一歩。

進みたい方向は見えていたのに。

その先は以前に増して眩しい。

私は前を向いている。

だからこそ。

 

どんなに正しいことでも、

遠回りをしなくては叶えられないことがある。

 

多くの人に、自分が正しいと認められることは

安心する。励みになる。自信が持てる。

けれども、その「正しい」ことが叶えられなければ

安心も、励みも、自信も

何の意味があるんだろう。

私は、政治家じゃないんだ。

たとえ、

多くの人が「イエス」と言っても、言わなくとも

たとえ、

唯一の人が「イエス」と言っても、言わなくとも

求めているのは

安心でも励ましでも自信でもない。

自分の実行力。

 

 

「正しい」ことを主張するのは

時に「正しくない」ことになる。

「正しい」ことを叶えるためには

時に望まない状況もやりすごすことが必要。

時に自分を誤摩化すことも必要なのかも知れない。

 

確かに、

「今」は「未来」に繋がっている。

だけども、

「今」に突っかかって先が見えなくなるくらいなら

「未来」を信じて「今」に目をつむることも必要なのかも知れない。

そういう勇気もまた、「未来」には必要なのかも知れない。

 

オトナのムジュンかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ハイビスカスと秋の空 16:09

 

一人暮らしを始めた頃から、何年に一度かの割合で訪れる。プールブーム。

今年は何度目かの当たり年。

さすがに1?年前からの競泳水着はぼろぼろで、

見つけたんだ。

半袖短パン丈水着。極力、体型を無視できるやつ。しかも、紺色ハイビスカス柄付き。

水着に洒落気など求めたこともなかったけれど、これはちょっと嬉しくなっちゃう。

久々に出した水泳帽二つ。

一つはビニールの。かぶった途端に破けた。ご無沙汰、すまぬ。

もう一つはアミのやつ。少々カビ有り。

ハイビスカスにお似合いのを見つけるまでの、辛抱。よろしく。

水中メガネに問題はなく、目薬は忘れずに。それから冷たい麦茶を水筒に。

 

いざ!夏の終わりと共に。

市民プールへ出発進行!

 

随分久々に感じた準備段階ではあったものの、

到着すれば、そういえば最後に来たのは一昨年の夏。

あらま、けっこう、私、プール好き。

とはいえ、運動不足でなまった体。準備体操は念入りに。

昔は考えられなかったけど…「不安に備える」これも、年の功ってヤツ。

水の中にそーっと足を沈めてく。

太ももに。お腹に。胸に。肩に。

そうそう、これこれ。

ゆっくりしゃがんで。そう、もぐって。

 

なんだか、にやにやしちゃうんだ。

監視員のお姉さんに怪しまれないように、水中メガネで誤摩化して。

にやにや。にやにや。息継ぎの不自然な25m。

新調した水着は、水の中だと不思議とゆるく、お腹がちょっとガボガボするけど

のろまな泳ぎに、着心地は無関係。

久々の再会に、心がはしゃぐ。

冷たいようで冷たくない。

やわらかな、消毒水が肌にくすぐったい。

一通り、いちゃいちゃと水と戯れたなら、さて、ここからが本番。

私は人魚になる。

と、言いたいところだけど、良いとこ、カエル。いや、アメンボ。

 

よいしょ、よいしょと、泳ぐんだ。

よいしょ、よいしょと

自分が周りの人の邪魔にならないことを、確認しながら。

よいしょ、よいしょと

進みはわずかでも、確実に進んでいることに安心しながら。

よいしょ、よいしょと

何者にも追われない、何者をも追わない

気まぐれなアメンボみたいに。

それでも、一生懸命

よいしょ、よいしょと、泳ぐんだ。

ただただ、泳ぎ続ける為に、泳ぐんだ。

 

約一時間。目的を果たし続けた自分自身に、気分は恍惚。

水から上がった体は、一時間前とは大違い。

ずっしりと重く、自分の体重を思い知る。

それでも、この恍惚とした心には、それさえが喜びの発見。

体中に纏わりつく水滴。

以前はもっと、水切れの良い体だったはずなのに。

思い巡らし、頭を振る。

プールも私とは離れし難いのだ。

そういうことにしておこう。

とりあえず。

 

 

帰り道は、既に日が沈んで

すっかり秋になっていた。

それでも、私の体は心は夏みたいに燃えていた。

夏の終わりがなんだ!

秋がなんだ!

私は燃えている!

 

 

 

 

 

 

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ごきげんな日。 17:20

 

へび。

とぐろ巻いたへび。

 

と、見せかけ

実は、なす!

ひひひ。

 

 

脳みそ。

ホルマリン漬けの脳みそ。

 

と、見せかけ

実は椎茸!

ひひひ!

 

いぬ。

 

と、見せかけ

やっぱり、犬!

あちゃー。

 

 

伊勢エビと、なんか。

仰向けの伊勢エビと、なんか流木みたいなの。

 

と、見せかけ

実は、きゅうりの根っこ。

ふふふ。

 

 

熊の手。

小熊の蜂蜜すくった手。

 

に、見せかけ

やっぱり犬の手!

きゃっ!きゃっ!きゃっ!

 

 

あ〜ぁ。

こうして毎日、生きていけたらいいのにな。

 

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くだもの。二年目。 17:40

 

 

ぶるぅべりい。

去年は一粒。

貴重な収穫。

今年は凄いぞ。両手にいっぱい。

ちいさな瓶に永遠の紫。

貴重な収穫。

 

個人的には、実がつこうとつかなかろうと

若葉の頃の、緑の清々しさ。なんて、素晴らしいこと。

 

 

ゆず。

去年は一個。

貴重な香り。

今年は…なんだ、なんだ!

ぼこぼこ頭がいっぱい。

小さなお釈迦様たち。

小さなままでいいからね。

みんな黄色くなあれ。

 

 

いちぢく。

去年はあんまり美味しくなかったな。

それが、どうした。今年は美味しい。

青いままの君たちよ。

優しい手に守られて、たんと甘くなりなさい。

赤づく君たちよ。

カラスに見つかってはいけないよ。そっとそっと大きくなぁれ。

だけど、もしもカラスに見つかったなら

立派な君、胸を張ってくれてやりなさい。

カラスは、私も知らない世界に連れてってくれるだろう。

 

 

ねくたりん。

今年、初めて花を咲かせ葉を繁らせ、

出て来た子たちは、どうも、ももらしい。

大きさも、もも。

匂いも、もも。

ねくたりんは、どこ行った?

皮を剥いて、包丁を入れて、口に含んで。

うひゃー!

まずい!!
それでも、よいのです。
あんなに細い、棒切れのような木から、よくぞ産まれてきてくれました。
冬の間は、何度この枯れ木を邪魔に思ったろう、
布団を干す度に氣を遣わせる、このか弱い枝を何度睨んだろう。
こんなにも大きな命を育んでいたとは。
ねくたりんじゃなくてもいい。
ももじゃなくてもいい。
まずくてもいい。
よくぞ、ここに生まれてきた。

 

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